2018中国都市囲碁リーグ準々決勝対南京戦(鎮江)
中国都市囲碁リーグが9月30日~10月3日に開催されました。
大阪創新生物チームは残念ながらベスト4進出とはなりませんでしたが、
来年に繋がる素晴らしい結果を残してくれました。
待ち望んだ準々決勝は鎮江江海精品ホテルにて開かれました。
台風をくぐり抜け、私達は梅艶さんのご尽力のお陰で、なんとか予定より1日早く南京空港に到着することができました。
午前の対局は、会場は関係者しか居らず、響くのは選手達の話し声と音響のみで比較的静かでした。
しかし盤上では熱く激しい石組みがなされていきました。中盤に入った辺りでこちらの大石が取られ、劣勢に。ところが油断からか、突然相手にミスが出て、取られていたこちらの石が忽ち生き返ったのです。そしてふと、私達全員が「この碁は勝ったかも」と思った事でしょう。しかし間もなくその考えは甘かったことを思い知らされます。終盤に入ったあたりで残り3分を切り、余裕もないまますぐに選手交代となりました。ここからは何を語るでもありません。
投了する間もなく、終局となりました。
2局目が始まる頃には、会場いっぱいに人が集まり、1局目とは打って変わって賑やかな幕明けでした。私達も負けまいと奮闘した結果、石がギシギシと音が鳴り出しそうな、際どいせめぎ合いとなりました。大石が損せず凌ぎさえすれば、こちらは地合が優勢という状況。そんな勝負所で、なんと彼らは2回の相談タイムを連続で投入してきたのです。次の瞬間、こちらが予想しなかった手を捻り出されて、瞬く間に苦しくなっていきました。彼らの勝負決定力を見せつけられた瞬間でもありました。
さて、これで準々決勝敗退となりましたが、収穫はもちろん、これまで沢山の学びを得ました。そして、このチームで戦った一局一局、一手一手がとても美しい思い出になりました。その経験はこれからも色褪せない事でしょう。
最後になりましたが、このような素晴らしい機会をいただいたスポンサーの杭州創新生物検控技術有限公司様、関係者の皆様、そしてチームの皆様に感謝致します。ありがとうございました。
関西棋院棋士 西山静佳
2018年中国都市囲碁リーグ閉幕戦及び1/8決勝戦(南寧)
中国都市囲碁リーグが南寧で8月8日~15日に開催されました。
大阪創新生物チームは1勝1敗で見事にベスト16の枠抜けができました。
さらに1/8決勝戦で武漢チームに勝ちベスト8進出決定しました!
今回、中国南寧で行われた閉幕戦は中国のアマチュア大会やプロ試験など色々な大会と同時期に開催されました。(注)梅艶先生の記事参照
大会会場は想像以上に広く日本とのスケールの違いに驚かされました。
今回は大きな電子機器トラブルはなく試合自体は落ち着いてできました。
大会日程が 1 日早まり前日入りになってしまいましたが、全員が万全に体調を整え試合に臨むことができ、南寧戦での難しい局面を乗り切りしっかりと勝つことができました!
貴陽戦は残念ながら完敗してしまいましたが、E ブロック 2 位で予選を通過しベスト 16 に入れて、それだけでも十分嬉しかったです。
ベスト 16 からは厳しい戦いが予想されていましたが、なんとここにきて、まず布石は佐田くんと佐藤くんの研究が見事に成功し、その後の中盤で相手の一瞬の隙をつき、そこからは結城先生の打ち回し、検討陣の冷静な判断により、今までのリレー碁の中で最高の内容で武漢にほぼ完勝でした!
ここ一番という大きな対局で日本チームらしい素晴らしいチームワークが光った一戦だったと思います。
大阪創新生物が運だけではなく実力も兼ね備えここまで上がってきたということを証明できたいろんな意味で大きな試合でした。
今年、初めて中国リレー碁に参加させて頂いて、最後まで諦めないこと、仲間を信じることの大切さを改めて学びました。
様々な方のお力があって運営されているこの中国リレー碁という素晴らしい大会に参加させて頂けたことを本当に嬉しく思います。
台風で帰国が 1 日遅れるというハプニングもありましたが、最終的には全員無事に帰国でき、手合いにもほぼ影響がなく安心しました。
最後になりますが、この大会の運営に携わってくださっている関係者の皆様、色々なアクシデントやハプニングにも選手が試合に全力を注げるよう臨機応変に対応して下さった紅林梅艶様、そして、囲碁ファンの皆様、本当にありがとうございました。この場をお借りし
て感謝申し上げます。
ベスト 8 以降も大阪創新生物が悔いの残らない試合ができ良い結果に繋がることを祈っております。
関西棋院棋士 岩田紗絵加
2018年中国都市囲碁リーグホーム試合(沼津)
都市囲碁リーグ第八戦対南寧チームは日本の沼津で開催されました。
7月28日~29日に開催された12世本因坊丈和囲碁まつりin沼津との同時開催。
試合結果は終盤の追い上げでからくも1目半勝ち。
ベスト16に大きく前進しました。
今回行われた大阪創新生物チームのホーム試合は、12世本因坊丈和囲碁まつりのイベントの一つとして行われました。
この日、日中アマチュアファンによるリレー碁対抗戦や本因坊丈和出生地の見学会など様々なイベントの一環として、中国都市囲碁リーグのホーム試合を行う運びとなりました。対局に使う電子機器が使えなくなるなどのトラブルがありましたが、関係者の方々の努力によってどうにか対局を始めることができました。
互角の滑り出しとなった布石でしたが、選手交代時の作戦タイムが悪かったため、交代後いきなり非勢に陥りました。その後もじわりじわりと差を広げられ、気づくと圧倒的な敗勢に…
私は内心、ほとんど諦めていましたが、佐田三段をはじめとするチームメイト達は挽回する手段を必死になって探していました。
終盤、大阪チームが最後の作戦タイムを使って勝負手を放ちました。勝負手というよりも相手のミスを待つというだけの手で、正しく受けられていたら投了しようと皆で話し合い決めた最後のお願いというべき手でした。
本来であればそう難しくない正着を相手が秒読みに追われて間違い、大逆転となりました。
この勝利はただの幸運という側面もありますが、どれだけ劣勢でも諦めないチームメイトの姿勢によるものも大きかったと思います。
この大々的な大会はさまざまな関係者の協力がなければ成り立たない大会でした。
大会を主催してくださった日本リレー碁協会、日本棋院沼津支部の皆様、中国側との連絡役や大会運営に指揮してくださった紅林梅艶様、普段、沼津で囲碁普及に努められながら大会の選手としても活躍してくれた佐藤洸矢様、そして何よりお忙しい中この大会に来てくださった大勢の囲碁ファンの皆様にこの場を借りて感謝申し上げます。ありがとうございました。
関西棋院棋士 河 英一
2018年中国都市囲碁リーグ対杭州戦(杭州)
6月9,10日 中国囲碁リーグ強豪杭州チームとは1勝1敗の好成績で終えることができました。
第5戦となる、今回の杭州戦を一言で言うならば薄氷の大逆転劇でした。
1局目では定石からの攻防で少し不利なワカレになり、中盤で形がおおよそ決まった辺りでは皆で計算してみても、少し負けとわかりました。
チームの雰囲気もあきらめモードで、いつ投了しようか、といった重苦しい空気・・・・。
ただ相手も油断したのか、一瞬隙を見せたような手もありましたが、色々と皆で検討してみるも際どく負け、という結論が出た頃に私への選手交代となりました。
リーダーが投了ボタンに指をスタンバイしていた頃、私も覚悟を決めていますと、打たれたのは思ってもみない意外な着点でした。
その手では普通にヨセるだけでもはっきりと負けだったのですが、私も積極的に応戦して、なんとかギリギリ攻め合い一手勝ちに持ち込むことが出来、碁も大逆転勝ちとなりました!
座して敗北を待つよりは積極的に打つという姿勢が功を奏したようです。
2局目は惜しくも負けてしまったのですが、検討で出てきた図の一つ一つが私にはとても沁みて、大変勉強になりました。
初日は西湖の水上でのショーを鑑賞させていただきました。 とても煌びやかで美しいパフォーマンスに、魂が震えました。ストーリーも後から聞かされて、二度感動したものです。
また、ご当地の叫化鶏などの珍しい料理も振舞って頂き、現地の方々の手厚い優遇のもと、楽しいひとときを過ごせました。
今回は二泊三日と短い旅でしたが、内容は濃く、素晴らしい思い出となりました。
現地で厚遇して頂いた陳功祥社長、鮑勝芳様はじめ、ご協力頂いた関係者の方々に、この場を借りて感謝申し上げます。ありがとうございました。
また次出場される選手も頑張ってください!
関西棋院 初段 西山静佳
2018年中国都市囲碁リーグ開幕戦(柳州)
5月18日中国柳州にて開催された対台北チームに勝利、次に対戦した福州チームにも勝利!!
5月18,19日の二日間で3勝1敗の好成績で開幕式4試合を終えることができました。
2018年大阪創新生物チームの開幕戦の感想とチームの紹介です。
開幕戦には今年からチームに加わった結城聡先生、河英一先生、西山静佳先生も出場しました。
開幕式や、街の景色もとても綺麗で、中国の囲碁への盛り上がりを感じました。
開幕戦の大阪チームの作戦は、佐藤洸矢アマが序盤を担当、中盤は結城聡先生担当、後半に女流棋士と男性棋士2人を配置する作戦でした。
布石の佐藤アマの出来がとてもよかったです。中国の棋士の研究についていくのはとても大変です。
普段から「絶芸」などAIとも対局を重ねている佐藤さんの実力が発揮できたと思います。
結城先生の強さは言葉にできないです。一手一手工夫しながら本手を打ってリードしていく棋風が僕は大好きです。
普段研究会でもいっしょに勉強させていただいているので、検討席も「結城研究会」のような感じで楽しく検討できました。
終盤担当の西山静佳さんは、詰碁力がとても強いです。今回も際どい局面から中国チームの大石を取ってしまいました。
関西には「攻め合いは河に聞け」
という格言があります。
河先生は読みが鋭くて、わかりやすく説明するのもとても上手です。今回もチームは何度も助けられました。
私は昨年も大阪チームに参加させていただいていたので、開幕戦はチームの先生たちにリレー碁の空気に慣れてもらえるように努めようと思っていました。
ですのでいきなり3勝できて少しびっくりしています。
杭州戦にはこの1年で1番強くなった西健伸くんも出場します。
次の試合も楽しんでいきたいです。
最後になりましたが、陳功祥社長、鮑聖芳様、大変お世話になりました。下次我會盡全力。非常感謝。
1年間どうぞよろしくお願いします!
楽しみましょう^_^
関西棋院棋士 佐田篤史